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感覚と知識


この写真は、この夏に京都を訪れた時に見つけた、京都嵐山にある精進料理の’嵐山館’の葛きり。

数年後、社員旅行とかで一緒に働く仲間をどこかに連れて行けるようになった日には、こんな価値のある素晴らしいお食事を食べに行くツアーとかしたい!

今回、大阪でのヨガシェアの際に立ち寄った夏の京都は、今まで何度も京都へ足を運んだ中で最高の旅となった。

私は国内外、いろんな場所を訪れる機会に恵まれているが、なかなかホンモノに出会う時というのは少ない。


今回はこの嵐山で、情熱を純粋に表現する男性’ホンモノ’に出会った。

京都嵐山に育ち、結婚し、代々受け継がれてきた精進料理のお店『嵐山館』の店主。オリエンタルヴィーガンの私(五葷抜き料理しか食べない)は、どこかレストランに行く際は、特に日本では必ず電話してから行くようにしている。ベジタリアンのお店でも五葷(あさつき・玉ねぎ・にんにく・ネギ・ニラ)を抜いた料理というのは相当な料理スキルと本人の舌が敏感でないとただの薄味になってしまうから、断られることが多い。なぜ私がこのような食生活を送っているかというと’シンプル’だから。あと舌に味が残らないから自分の体内の味をすぐに取り戻せる。そして特にニンニクと玉ねぎは食べると興奮気味になってハイになる。これは私の中でノンアルコールビールを飲んだ時のあとに似ていてその一瞬は楽しいけれど、その後の感情のうねりと体の爽快感の無さは特に自分の人生に必要ないと思うのでいらない。そんな私は、日本に今回帰国し、日本古来の食事の精進料理に興味を持つのは当然だったかもしれない。

だいたい電話の対応で、お店がベジタリアン料理に自信を持って提供しているかそうでないかが分かる。このお店の対応はすごかった。まず私の駐車場の心配をしてくれて、到着を外で待っていてくれた。


お店はこじんまりとした昔ながらの日本のお食事処的な雰囲気で、お食事をオーダーすると店主は「おかあーさん」と言って二階にいる奥様に食事を作るように話す。この二人三脚的なレストランは、タイや日本の高山で絶品の料理を作るレストランで必ずある光景で私はすごく期待した。

さて、この後、精進料理がでてくるのですが、このお話は長くなるので次回に書くとして、今回のブログテーマの『感覚と知識』について書こうと思う。


この世の中、多くの食品や調味料があるように、数え切れない程の情報が流れている。この中で自然と感覚を麻痺させていることは多い。麻痺することでの楽しさも経験してきているけれど、麻痺(不感覚)から’感覚する’ことを選んで生活する人生もまた楽しい。都会では感覚しすぎるから不感覚にしないとストレスを溜め込んで生きにくい傾向にあることは分かる。ただこれは特に都会だけでなく、電気があってテレビがある生活ができる場所であれば同じようなことが言える。また感覚をしすぎて開いたままにしておくと、今度は逆に敏感になりすぎてバランスを失う。この意味は五体満足で生まれ、経験と知識が入る状況下で生活し、自分自身で考える力を持って生まれているけれど、それを活用できていない人々のこと。自然体は素晴らしいことなのだけど、地球にはバランスがある。だから生まれ持ったものを最大限に生かし、地球に還元しバランスをとる一員として、与えられた自由性のある心身で自分にできることを考え生きることは、私たちにとって本当の生きる意味なのだと思うし、これが自然なことなんだと思う。


『ものすごくオープンで純粋な人々』・・このような人々は文明の力が届かない自然な場所で住んでいる人々、そして障がい者という枠でくくられている人々が多いわけだが、彼らはそのままでいい。


世界にはバランスが存在しているから。それらを守る一般的な『恵まれた環境で生まれた人々』そして「健常者」と言われる私たちが必要なことを補えばいいのだから。特に日本にいると本当に安全で全てがあって守られている国だなと実感すること。


『バランス』そして『知る』


現代では情報を瞬時に自分の意志で取り入れることができる。だからどんな情報が必要なのか、それは本物の情報なのかを見極める力、それが知ることにつながる。本当の意味で『知っているということ』、これは、感覚を研ぎ澄ませていないとできない。これは心だけではなく、体も同じことが言える。心と体は繋がっているから。

話を写真に戻し、なぜ今回ブログにこの写真なのかというと、この『嵐山館』で完全なバランスを経験したからです。


この葛きりは、このお店でお昼に精進料理を食べたあと、夕方に夕飯代わりに頂いたもの。

皆さんは、ホンモノの葛きりを食べたことがありますか? バランスが整っているこの葛きりと上のきな粉たち、そして店主のこだわり・・・こだわりという言葉は正しくないかな・・自然にこうなっている。上質なものが自然にそこにある。店主はそれを全て説明でき、これらを物語に出来る程の情熱を持って生きている人。本当に素敵な経験でした。


また秋の紅葉の時期に伺いたい。


愛を込めて Nanakha Olatunji


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